azusatokohaの日記

人生ラバーダッキング会場

言外の情報ってむずい

生成AIが登場してしばらく経って、一時期よりも「人工知能に仕事を奪われる」みたいな論調というか、煽りがトーンダウンしてきた気がする。生成AIは今までのチャットボットや、限られたゲームにだけ注力していたニューラルネットワークとは異なり、自然言語を扱うという点でインターネット上の人間関係を再現出来るかのような「人間へ一歩近付いた」技術だったが、今までの所社会を劇的に変化させたという程ではない。そういう意味で「幻滅の谷」入りしたとも言えると思う。ガートナーってすげぇや。

生成AIの走りとしてブランド価値を持つ ChatGPT 、OSやオフィスソフトとの統合でユーザビリティを高めんとする Bing AI 、検索エンジンとして負けじと競う Google Bard といった感じに、多くの生成AIが公開されているが、中々使いこなせていない。自然言語処理を他人に任せたいという場面が思いつかない。画像生成AIもあるが使いこなして画像を生成しようという熱量が自身に欠如している。

なので生成AIに触れる場面と言えば、Googleの検索結果に出てくる Bard くらいであり、検索のついでに弄ってみる事もあるが、普段「生成AI向き」の検索をしないせいか、あんまり Bard の窓が出てこないんだよなぁ。

試そうとすると単純な情報の検索よりも「神奈川と千葉の人口の比較」みたいな(もうちょっと込み入ったりするけど)単なる好奇心で調査するには多少面倒な比較あたりを生成AIに任せたいわけだけど、なかなか思う通りの使いこなし方が出来ない。(今はもうちょいマシかも)

「神奈川と千葉の人口の比較」と一言で言っても、その背景的な情報やメタ情報みたいなものがあるわけで、それを汲み取って結果を出してほしい。それは「神奈川と言えば日本の都道府県である。ここでいう神奈川と千葉の人口の比較したい、という要求は、千葉市ではなく同じ都道府県という単位の千葉県の人口について、神奈川県と同時期の統計データを基に比較したいという意味である」、というような背景知識と比較の方法論、といったインプットが機械的には為されるべきである。

その間を埋めてくれるのが自然言語を解す生成AIだと思ったら、普通に神奈川県と千葉市の人口を異なった時期で比較されてずっこけたりする。まあこの辺りは日進月歩なので、既に解消されている問題かもしれないけど。

たしかにプロンプトエンジニアリング(これも最近聞かない気がする、既に死語か?)のミソって、要求される事柄や手法といったメタ的な部分を如何に捉え、事前指示として入力するかのテクだよなぁ。なんとなく納得する。

生成AIは過去の文章をそのままインプットとして学習し、「去年」「明日」みたいな相対的な尺度が苦手、みたいな話も聞く。なので今後はメタ的な情報をきちんと解釈する層(それがニューラルネットワーク的な隠れ層のひとつなのか、アプリケーション実装的な事前処理層なのかは分からないけど)があって生成AIの利用シーンが広がるのかなぁ、と思うなどした。