azusatokohaの日記

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警視庁による防災の日の通行止め訓練を勝手に見学してきた

関東大震災から丁度100年ってことなので、自身の防災意識を高めるためにも、警視庁がやっていた防災の日の通行止め訓練を、勝手に見学してきた。いざ震災が発生した時に、都心方向への車両流入を防止して、緊急交通の確保をする狙いがあるはず。

法律的には災害対策基本法第76条に法的根拠があり、実際に災害が発生していない場合であっても訓練の為の車両通行止めが認められている。また同法を援用する形で武力攻撃を受けた際等に、国民保護法に基づく車両通行止めも規定されている。COVID-19対策のロックダウンに際して、自粛要請よりも強制力のある手段として採用されるのでは、という噂があったな。

どんなもんかなーと軽い気持ちで交差点に着くと、結構な数の警察官と、防災訓練協力ボランティアなる人たちが待機していた。事前に車線規制の為の広報ハイエースも位置についていた。

10:30 規制開始

広報ハイエースのマイクパフォーマンス開始を合図に、信号機の動作モードが防災対応のサイクルに手動で切り替えられ、カラーコーンと規制看板で交通規制が開始された。事前に警察官が配置され、ニンジンで誘導しているおかげか、あまり混乱なく規制が開始されたように見えた。

規制標識 302 車両通行止 に「災害対策基本法に基づく車両通行止」と付記された規制看板。訓練のマグネットと、活字による対象・区間・期間が表示されている

見に行った大原の交差点は、甲州街道にアンダーパスが整備されていて、そちらも併せて通行止めとなっていた。なので本線2車線+側道2車線の交通容量が、側道2車線のみにまとめられてしまい、後方を見ると結構な渋滞の状況。信号サイクルのうちに右左折できた車両数がどうしても少なく、伸びてしまったんだろう。

甲州街道の大原アンダーパス(上り本線)交通規制の様子(10:39頃)。連続立体交差の本線2車線と、井の頭通り交差点からの側道2車線が、すべて大原交差点側道2車線にまとめられるため、交通容量が非常に厳しい

そうなると、この交通規制の主目的としては道路内の自動車を減らして緊急自動車の円滑な走行を可能にすることだと思うんだけれど、規制の外側(環七)ではむしろ渋滞を誘発しかねないように思える。今回はあくまで訓練なので、「自動車は左路側に停めて、エンジンを切ってキーを抜かないで避難しろ」とまでは言えなかったけれど、いざ震災発生時に同じことが起こっても困る。

日頃から警察と自動車運送事業者間で、震災発生時に自動車の使用を中止するよう求めるとか、あるいはコインパーキング事業者、ビルの立体駐車場なんかも含めて、単に「料金を請求しないという同意を得る」だけでも良いので、いち早く道路上の自動車を減らせるような計画が必要に思える。とりあえず道路上から消す、という事を如何に柔軟に実施できるかが問われるのではないだろうか。

甲州街道の大原アンダーパス入り口付近、渋滞の様子(10:39頃)

あとは今回訓練という事で、事前にすべて段取りして規制看板もカラーコーンも人員も車両も持ち込んでいたけど、震災発生時にどれだけ段取りが取れるのか。人命救助とか火災対応を念頭に置くと、発災からごく短時間で規制実施に持ち込まないといけないようにも思うので、今回のように潤沢な対応人員が割けない事を考えると混乱は発生してしまうんじゃないか。

そしてこの交通規制の可能性について、免許更新の時のパンフレットに書くだけでは忘れるドライバーも数多いだろうから、本番で細かい説明をしなくて済むような事前の教育。いろいろ課題はありそうなので、頑張ってください。