azusatokohaの日記

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「広告」と数字

企業の広告宣伝費は、経済的尺度とは違う価値観で計られる。ある種、裏から裏へと流れる金でもあり、その費用対効果を論理的に説明できる者はいない。

内田幹樹・著「パイロット・イン・コマンド」より

テレビCM、交通機関の広告、そういったものを掲出して、何人の人が見るのか。いくらの売り上げに繋がるのか。潜在顧客は何人で、どれくらいの知名度向上に寄与して、どの程度の費用対効果を見込めるのか。おそらく、10年前、20年前であれば、(視聴率だとか交通量だとか、そういった間接的な指標こそあれ)正確な数字は出せなかったんじゃないかと思う。

では今、インターネット広告が全盛期を迎えると、これらの広告のコストパフォーマンスは従来に比べて格段に計りやすくなっただろう。インプレッション数はいくらで、エンゲージメント率はいくら、売り上げ実績がいくらだから、費用対効果はいくら…と、より踏み込んだ点まで分析できる。どこで何をすればより効率よく顧客を獲得できるのか?を、今まで以上に気に出来るし、企業であれば気にしないといけない。

すると、インターネットでの広告をリワードとして第一に目指すであろう個人クリエイター(YouTuber、Bloggerとか)の戦場に、冷静な目が持ち込まれることになる。むろん、インターネット広告は単価が安い分敷居が低く、多くの企業からの出稿が見込めるが、であれば余計にコストパフォーマンスを意識される。ファン層、個性・カラー、エンゲージメント率、そういった数字を事細かに見られて、広告に対して最低限の報酬を出す。明確な数字の世界だ。

間違った行動ではない。でも、そうやって、ある種企業の売り上げから還流される「広告宣伝費」が削られていくだけ、では、夢が無いよなあ。たとえば何だかんだ話題のe-Sportsとか、そういう「個人にスポットライトが当たる」場に、もっとお金が回ればいいのにな。