azusatokohaの日記

人生ラバーダッキング会場

腕を恨んで自然を恨むな

2019年2月9日は、東京で雪が降った。ドカ雪ではなく、ある時は叩きつけるような白い氷の粒が、ある時は雨と見紛うものがぱらぱらと降った。そんな日に、雪を撮ろうと思った。

雪を撮るとはどういう意味なのか、雪を撮り終えた(あるいは雪を撮ることに諦めを付けた)今、分からない。

私は雪を説明しようと思ったわけではなくて、目の前の風景から自分好みの部分を切り取って、自分好みに仕立て上げようとした、いつもカメラを持つ時とやることは変わらないはずだった。

雪を撮ろうとカメラを持った時、雪はとんでもなく、普通の景色だった。舞い降る雪に目を向けた時、それは単なる降水現象に過ぎない。薄く積もる雪に目を向けた時、それは荒削りの氷でしかない。

写るのは確かに雪だけれども、それを雪と呼ぶには、目の前にあるちょっとした非日常が収まらない。雪のもたらす変化は消え失せ、水と氷ばかり写る。

雪を撮る、それはとても難しいことだった。それに気付いたとき、この忌々しい寒さの1日が、少しだけ好きになった気がした。

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