azusatokohaの日記

人生ラバーダッキング会場

非接触機器をお使いくださいませ

「セルフレジや自動販売機などの非接触機器を使用する」、とある場所で見かけた文言なんだけど、オォ〜言語〜ってなっちゃったな。

ぼくの認識(感覚)では、非接触機器って言うと、まあPASMO支払いとかQRコードとか「機械との電気的接続が省かれる」みたいな文脈か、非破壊検査的な「プローブ(機械)が対象に直接触れない」みたいな感覚だったんだけれども。

今回の文脈の「非接触機器」は「人間との接触を避けるための機器」っていう解釈なんだよな。非接触といえば人対人の接触を生じさせないという意味で、それを補助する機器という意味合いでの非接触機器。

人間は何か新しいものを作ったり、何かが変わるときに言語や意味を作り出さなくてはならなくて、今回のCOVID-19はめちゃくちゃ沢山の言葉を作るきっかけになった。そういう新しく生まれて今まさに生きている言語が本当にあふれてる。すげぇな。

なんというか、ぼくは「今が安定期」あるいは「今が終着点」という意識がものすごくあって、これが全時代に普遍的なものなのか、今時代の意識なのか、ぼくの個人的な意識なのか分からないけれども、たとえば「robot」を造語するような激的な言語が中々現れない気がしている。つまり、今ある言語の組み合わせや既存の語彙で新たな概念を表現する、みたいな。

たとえば「ソーシャルディスタンス」だって、全く別の表現による語彙を生んでも良かったんじゃないか。情報伝達の速度がものすごく早いからなのか、「今誰もが分かる」言語を用いる、「権威による定義的説明がないと分からない」言語は広まらない。

結局の所、それらは社会的な要請だとか意図があって成立している要件なわけで、ここでギャーギャ騒いでもしょうがないんだけど、もうちょっと大きい言語の花火を見てぇ、と思っちゃうな。

新しい言語を広める大きな物語はもうない